(サ行植物)徐福のくすき薬草図鑑
“まちじゅうを薬草園に!”という思いで結成した徐福のくすきグループの薬草図鑑です。
こちらではサ行の名前で始まる植物を掲載しています。
※以下注意事項をご確認の上ご覧ください。
【注意】
・こちらに紹介している情報は東洋の伝統医学の考え方や民間的なもので、現代医学の効能を表現しているものではありません。
・天然の植物ですので育つ地域や環境や時期により発育や成分には、ばらつきがあります。
・アレルギーや病気の治療中の方、妊婦さんや小児、高齢者の方、主治医から制限をされている方は薬草の摂取については専門家の指示を仰いでください。
・薬草には類似した植物があり、判別が困難で、毒性を含むものもあります。専門家の判断をあおぐなどして、十分に注意をお願いいたします。
・自然に自生する貴重な植物です。乱獲はご遠慮ください。
・薬草を煎じる容器は土瓶のような焼物か、耐熱のガラス製のものが良い。(アルミ、アルマイト、ホーロー引きのヤカンやナベでもよい)鉄製や銅製のものは煎じ液が変質するおそれがあるので避けてください。
・以上の注意点をご理解いただいた上で、薬草を服用する場合は自己責任でお願いいたします。
以下アイウエオ順にご紹介しています。
【サ行ではじまる名前の植物】
▶スイカズラ
吸い葛(スイカズラ)。
秋から冬にかけて葉のついたままの茎を採取して刻み、天日でよく乾かしたものを漢方生薬名で忍冬(ニンドウ)。開花期に花蕾(からい)を摘み取り、風通しの良い日陰で早めに乾かしたものの漢方生薬名は金銀花(キンギンカ)。
漢方的には、解表、清熱解毒の効能があり、化膿性の皮膚疾患や風邪、のどの炎症、腸炎などの感染症に用いる。
忍冬は鎮痙(ちんけい)、利尿、抗炎、抗菌作用があり、発熱、伝染性肝炎、神経痛、リウマチなどの関節・筋骨の痛みに用いる。
忍冬10~20グラムを1日量として500ミリリットルの水で煎じ、半量まで煮詰めて1日3回、食間に服用。外用,浴湯料,茶代わりに飲用.
口内炎,扁桃腺炎にはうがい薬とする.
忍冬酒は、開花期の花とつぼみを採取し、100グラムに対してホワイトリカー1.8リットルを入れ、砂糖約30グラムを加える。最低1カ月黄金色に熟成させる。
花は茎葉よりも解熱効能が優れていると中国ではよく用いられる.
金銀花 2~3gを水600mlに入れて、沸騰するまで強火で、沸騰してからは中火~弱火で、量が半分くらいになるまで(少なくとも30分程度)煎じる。
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▶ススキ
芒(ススキ)。秋の七草(尾花)。
秋に根を乾かして生薬とする。
古典には咳止め、利尿、活血、止渴。咳嗽、小便不利、带下(こしけ)、熱病口渴、とある。
解熱、感冒には1日量5~10g。
春先、葉が生える前に、地下の根茎を水洗いし細かく刻み日光に干す。
風邪のときに解熱剤として1日量6~15gを水300ccで1/2量にまで煎じつめ1日3回服用。
民間薬として、三河では、瘡毒を去るために煎じて服用したり、尾張の国では、煎じて風邪に用いるとある。
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▶スベリヒユ
滑莧(スベリヒユ)。
古くから世界で薬草として用いられ漢方生薬名は五行草(ごぎょうそう)
中国では”馬歯莧(ばしけん)”と呼ばれる。
ハーブ名はパースレイン、プルピエ。オメガ3脂肪酸含有量は全植物中で最高とされる。
抗酸化物質のグルタチオン、ビタミンB、マグネシウム、鉄分が豊富で血液循環や老化防止、脳神経細胞の活発化や抗菌作用解毒作用があり、消化吸収のバランスをととのえ、コレステロール、血圧、心臓冠動脈病、慢性腸炎に効果が期待できる。
食べ方は、
※シュウ酸を含むため熱湯で茹で、すすぐ下処理が必要。長時間茹でると粘り気が出るし、オメガ3脂肪酸は熱に弱いので、手早く茹でる。下処理後は生食も可能。
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▶セイタカアワダチソウ
背高泡立草(セイタカアワダチソウ)。
民間薬として古くから利用。アメリカ原住民は類似植物の花を鎮痛・解熱に、ヨーロッパでは葉を潰して、虫刺され・怪我・洗浄液として利用。
解毒効果があり、アトピー・喘息・胃腸病・腎臓結石、腎臓炎、膀胱炎、リウマチ等、乾燥肌にも効果があるとされる。
近年クロロゲン酸やイソクロゲン酸などのポリフェノールを含むことが注目。
秋の前のなるべく蕾の状態で収穫して保存するのが良い。
健康茶としては、開花前のつぼみ(9〜10月)のセイタカアワダチソウを上から20cm位採取しよく洗い軒下にネットで完全に干す。細かくハサミでカットしフライパンで煎る。沸騰しないように弱火で20分煮出したら完成。
蕾は食用としても。また入浴剤として利用するとサポニン(石鹸と同じ成分)を含み泡がたつ。
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