(タ行植物)徐福のくすき薬草図鑑
“まちじゅうを薬草園に!”という思いで結成した徐福のくすきグループの薬草図鑑です。
こちらではタ行の名前で始まる植物を掲載しています。
※以下注意事項をご確認の上ご覧ください。
【注意】
・こちらに紹介している情報は東洋の伝統医学の考え方や民間的なもので、現代医学の効能を表現しているものではありません。
・天然の植物ですので育つ地域や環境や時期により発育や成分には、ばらつきがあります。
・アレルギーや病気の治療中の方、妊婦さんや小児、高齢者の方、主治医から制限をされている方は薬草の摂取については専門家の指示を仰いでください。
・薬草には類似した植物があり、判別が困難で、毒性を含むものもあります。専門家の判断をあおぐなどして、十分に注意をお願いいたします。
・自然に自生する貴重な植物です。乱獲はご遠慮ください。
・薬草を煎じる容器は土瓶のような焼物か、耐熱のガラス製のものが良い。(アルミ、アルマイト、ホーロー引きのヤカンやナベでもよい)鉄製や銅製のものは煎じ液が変質するおそれがあるので避けてください。
・以上の注意点をご理解いただいた上で、薬草を服用する場合は自己責任でお願いいたします。
以下アイウエオ順にご紹介しています。
【タ行ではじまる名前の植物】
▶タラノキ
楤木(タラノキ)。
樹皮を乾燥させたものが楤木皮(ソウボクヒ,タラボクヒ),根の皮を乾燥したものを楤根皮(タラコンピ)。
樹皮,根皮ともに抗糖尿病,利尿,健胃作用があり,糖尿病,腎臓病,胃潰瘍,肝臓病,高血圧,神経痛などに用いる.
酒の飲みすぎ胃腸の不調には茶替わりに常用.とげは高血圧症に用いる.
新芽は、楤芽(タラノメ)。栄養価も高く山菜の代表と言われる。
天然では冬があけて春4月上旬から6月にかけて採取。カリウム、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラル、β-カロテンを多く含む。
血圧の安定、健胃、強壮、強精作用があると言われています。
採取してすぐ食べるのがよく冷蔵保存で苦味が増す。天ぷらとして食べることが多い。
とげがあるので下ごしらえには注意。採る際は皮手袋使用。採るのは最初に芽吹いた1番芽だけ。2番目以降を採ると枯れてしまうので採取厳禁。
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▶ツユクサ
露草(つゆくさ)。
別名をボウシバナといい、漢方生薬名を鴨跖草(おうせきそう)と言う。
6~9月の草の勢いが良い開花期に全草を採取、水洗いし天日で乾燥。日干しする前に一度蒸したほうが良いとされる。
解熱、利尿、解毒の働きがあり、かぜ、熱性下痢、水腫(すいしゅ)、心臓病などに用いる。
解熱には1回量4~6グラムを0.2リットルの水で煎じて服用。
さらに、熱が下がらない場合や下痢止めには1日量10~15グラムを、水0.4リットルで煎じて、1日3回に分けて食間に服用。
生の茎葉は、下痢止め、むくみなどに、10~15グラムを0.2リットルの水で煎じて、1日3回服用。脳血栓の予防・治療には、1日量5グラムを水0.4リットルで煎じて数回に分けて服用。
虫刺され、腫れ物には、生の茎葉の絞り汁を塗布。眼病に花の絞り汁で目を洗浄する。
食用には、生の茎葉を軽く茹で、サラダ、和え物に。
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▶ツワブキ
石蕗(ツワブキ)別名ツワ。
8、9月ごろに葉や茎を採取し、日干しにした根茎を漢方生薬の槖吾(タクゴ)という。
解毒,健胃作用があり,食あたり、下痢に用いる。
刻んだ葉茎か根茎の10~20グラムを1日量として、400ミリリットルの水を加えて煎じ約3分の1量まで煮詰めた煎液を1日1回、食間に服用。
魚の中毒にも効果があると言われている。
新鮮な葉は抗菌作用があり、新鮮な葉を火であぶり、柔らかくして表皮を剥ぎ、葉肉部分を打撲、できもの、切り傷、かるいやけど、湿疹などの患部にガーゼで押さえる。
また新鮮な葉をよくもんで患部に直接つける。
中国では全草の乾燥した物を蓮蓬草(れんほうそう)と言い、風邪やのどの痛みに用いる。
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▶トチュウ
杜仲(トチュウ)。
「現代の生きた化石植物」と言われ氷河期から生き抜いた中国原産の一種類。
樹皮に含まれるリグナン成分は、抗ストレス、更年期障害、血圧降下、滋養強壮に有用で日本でも医薬品に指定。
また、五大漢薬の1つとして古くから降圧、利尿、強壮、鎮痛のために使われた。
16世紀末に記された中国の古典の薬学書『本草綱目(ほんぞうこうもく)』にも、その効力や用法が記載されている。
乾燥させた葉は強壮,高血圧や動脈硬化の予防にお茶替わりに飲まれる.